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リズムシたちの制作日記やつぶやきなどなど。など。
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Miles Davis 『Someday My Prince Will Come』 1961

オススメ度
凡人:☆☆☆
真っ当なジャズファン:☆☆☆☆

和声レベル:ハードバップ
リズムアプローチ:シンプルなスウィング

*********

1. Someday My Prince Will Come 
2. Old Folks 
3. Pfrancing 
4. Drad Dog 
5. Teo 
6. I Thought About You 
7. Blues No. 2 [*] 
8. Someday My Prince Will Come [Alternate Take] 

Miles Davis (tp)
Hank Mobley (ts)except 5.
John Coltrane(ts)1. 5.
Wynton Kelly (p)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (ds)

*********

何故か、演奏は悪くないのにどうしても好きになれない演奏者というのがいるものです。
私の場合それが、ウイントン・ケリー。
優雅な演奏で、抜群のスウィング感。ジャズピアニストは手本にすべきフィーリングです。
その健康すぎる感じがどうしても気質に合わない。
世の中のたくさんのジャズファンはこのコロコロした演奏が大好きなのだろうけれど。
同じく健康的なスウィング感のドラマー、ジミー・コブも参加しています。
そしてその健康すぎる雰囲気がこのアルバム全体に漂っています。

真っ当なハードバップのアルバム。
「Kind of Blue」の後にこのアルバムがあるのがどうしても納得できません。
モード的奏法が消化された演奏は、第二期クインテットメンバーの登場を待たなければいけません。

ジャズ初心者には聴きやすいアルバムになっています。
ジャズっぽいジャズを聴きたい方にはおすすめ。

◇Pick up!!◇
1. Someday My Prince Will Come 
Fペダルを効果的に使ったアレンジがわくわくします。
マイルスの歌うようなミュートトランペットが聴きどころでしょうか。

5. Teo
マイルスのオリジナル曲。
ソロがいいですね。気持ちのいい高音が聴けます。
バンドからは抜けていたジョン・コルトレーンもゲスト(?)で演奏してます。



Miles Davis 『On the Corner』 1972

オススメ度
凡人:☆
ファンク好き:☆☆☆☆

和声レベル:ポリトーナリティー
      ベースラインはシンプルなワンコード系パターン
リズムアプローチ:アフロ・ファンク、ポリリズム

*********

1. On the Corner/New York Girl/Thinking of One Thing and Doing Another 
2. Black Satin 
3. One and One 
4. Helen Butte/Mr. Freedom X 

Miles Davis(tp,org)
Michael Henderson(b)
Al Foster(ds)
Mtume(per)
Dave Liebman(ss)
Sony Fortune(as)
Carlos Garnett(ts)
Bennie Maupin(bcl)
Cedric Lawson(synth)
Herbie Hancock(elp,synth)
Chick Corea(elp)
Harold Williams(org,synth)
John MClaughlin(g)
David Creamer(g)
Paul Buckmaster(el-cello)
Pete Cosey(g)
Reggie Lucas(g)
Jack Dejohnette(ds)
Billy Hart(ds)
Bada Roy(tabla)
Don Alias(per)
Lonnie Liston Smith(org)
Al Foster(ds)
Colin Walcott(el-sitar)
Khalil Balakrishna(sitar,el-sitar)

*********

名盤です。雑誌に名盤として載っているかもしれないし、CDショップでもそこそこなポジションで売られているかもしれない。
最近発売された、未発表テイクを含むボックスセットも大々的に売られていました。
が、ジャズ初心者は間違っても聴いてはいけません。挫折します。

演奏者のクレジットがすごいことになっていますね。
これで全員なのか、もしくはこのメンバーが本当に全員演奏しているのか、全て怪しいです。

CDを再生すると、圧倒的にパーカッシヴな音の洪水に驚かされるのではないでしょうか。
タブラやシタールなど、インド楽器も導入し、良いエキゾチック感が出てますね。

しかし、音は最悪。
マルチトラックレコーダーで録音し、がんがんにコンプレッサーをかけ、すごいミックスになってます。
何の楽器がよく聴かないと判別すらできません。

パッと聴き、素晴らしい一発録音セッションの結果できた音楽のような印象を受けるのですが、実は緻密な編集をされたものだということが現在分かっています。

踊れる音楽、でもインド音楽のように無限に続いていくなかでトランスするような気持ちよさがある、そんなCDです。



Herbie Hancock 『Future Shock』 1983

オススメ度
凡人:☆☆
スクラッチ好き人間:☆☆☆

和声レベル:ポップス
リズムアプローチ:エレクトリックドラムによる、ディスコ、ヒップホップの原型的リズム

*********

1. Rockit 
2. Future Shock 
3. TFS 
4. Earth Beat 
5. Autodrive 
6. Rough 
7. Rockit [Mega Mix][*] 

*********

ハービー・ハンコックが1983年に完成させた、非ジャズアルバム。
大ヒットした「Rockit」も収録されています。
このヒットによって、スクラッチサウンドが浸透したんではないかと。
エンターテインメントに徹しているハービーが見ものです。
プロデューサーでもある、ベーシストのビル・ラズヴェルについては詳しく知らないのですが、後に坂本龍一やその周辺人物ともコラボレーションしているみたいですね。

アルバム自体は何ともいえない出来です。
スクラッチの導入やたくさんのシンセサウンドなど、新しいアプローチはたくさん見られるけれど、"ハービー・ハンコックの音"というのがあまり感じられません。
器用すぎるが故の欠点でしょうか。

ジャズミュージシャンがこういったアルバムを作ったことは評価できると思います。
ライブなどでは、ハービーがジャズのイディオムを使ってソロを思いっきりとる事もあるわけですが、ダンス・ミュージックを聴いている客がジャズのソロもノリノリで聴くという図式が出来上がります。
これは、この頃から少しずつ盛り上がっていくクラブジャズムーブメントとも関連してくると思われますね。

◇Pick up!!◇
2. Future Shock 
女性ボーカルをフィーチャーしたトラック。
薄く聴こえる、ハービーのクラビネットによるバッキングが何気にかっこいいです。



Miles Davis 『The Early Years, Vol. 1: 1945-1947』

オススメ度
凡人:☆☆
マイルスマニア:☆☆☆☆

和声レベル:ビバップ
リズムアプローチ:アップビートのシンプルなスウィング

*********

Disc1 
1. That's the Stuff You Got to Watch 
2. Pointless Mama Blues 
3. Deep Blue Sea 
4. Bring It on Home 
5. Billie's Bounce 
6. Now's the Time 
7. Thriving on a Riff 
8. Moose the Mooche 
9. Yardbird Suite 
10. Ornithology 
11. Night in Tunisia 
12. Melodrama in a V-Disc Record Room (Jump Call) [Live] 
13. I Can't Get Started [Live] 
14. Oo Bop Sh'bam 
15. I Love the Loveliness of You 
16. In the Still of the Night 
17. Jelly, Jelly 
18. My Silent Love 
19. Time on My Hands 
20. All the Things You Are 
21. In a Sentimental Mood 
22. Don't Sing Me the Blues [#] 
23. Don't Explain to Me Baby [#] 
24. Baby Won't You Make Up Your Mind [#] 
25. I've Got the Blues [#] 

Disc2
1. For Europeans Only 
2. Bird Dog 
3. You Left Me All Alone 
4. Jivin' With Jack the Bellboy 
5. Donna Lee 
6. Chasin' the Bird 
7. Cheryl 
8. Buzzy 
9. Bean-A-Re-Bop 
10. Isn't It Romantic? 
11. Way You Look Tonite 
12. Phantomesque 
13. Milestones 
14. Little Willie Leaps 
15. Half Nelson 
16. Sippin' at Bells 
17. Dexterity 
18. Bongo Bop 
19. Dewey Square 
20. Hymn (Superman) 
21. Bird of Paradise 
22. Embraceable You 
23. Bird Feathers 
24. Klact-Oveeseds-Tene 
25. Scrapple from the Apple (Little Be-Bop)

*********

マイルス・デイヴィス、最初期の録音集です。
公式盤ではないのかな?分かりませんが、比較的手に入りやすいもののようです。
この頃の録音集では他に『First Miles』が有名ですが、本作は色々時期、グループの演奏がまとめて入っているので楽しめます。
40’の空気が伝わってきますね。録音もクリアで聴きやすい。

まだまだひよっこのマイルスの演奏がおもしろい。
でも、単に演奏がヘタなのか、何か深い考えの基に演奏しているのかなんとも分からないのですよね。
パーカーがもろにビ・バップ的なコード分解フレーズを吹いているのに対し、マイルスはこの時期から既に少しだけモード的なアプローチをしているように感じます。
バップチューンよりもブルースで顕著にあらわれているのですが。
モードという考え方で演奏しているわけではないのでしょうが、他のバップミュージシャンとは明らかに強調している音程が違います。

チャーリー・パーカーグループでの演奏の他に、ビッグ・バンドに参加しているマイルスも聴けます。
この時代のビリー・エクスタインの歌唱が聴けるのは嬉しいですね。

ジャズ史を勉強している人や、マイルスの自叙伝を読み始めた人なんかは聴くと参考になると思います。

◇Pick up!!◇

Disc1
6. Now's the Time
パーカーの有名なブルースチューン。
マイルスのソロは、個人的にはかっこいいと思うのですが、当時の観客にどんな評価をされていたのか心配になりますね。そんなことを言ったら失礼でしょうか。
理知的ではあるけれど、周りのバップミュージシャンに比べて明らかに華やかではない演奏を、堂々と続けたのはすごい事であると思います。
ソロ中の#11を強調したフレーズは、この時代には新しいですね。

Disc2
5. Donna Lee 
作曲:チャーリー・パーカー。
これは嘘ですね。
これでもか、というくらいバップがバップである要素が詰め込まれた曲です。
パーカーが、ここまで濃密な曲を作るとは思えません。
マイルスの「バップってこんな風にできているんだろ?」という解釈の結果がこの曲であるように思います。
弟子の曲を自分名義にしてしまうという技は、後にマイルスも受け継ぐわけです。

15. Half Nelson 
マイルスのオリジナル曲なのですが、いまいちパッとしません。
やはりバップでは彼のやりたいことは表現できない、ということでしょう。

プロフィール
なまえ:
成瀬つばさ
自己アピールらん:
音大&美大院卒。
絵を描いたり音のおもちゃを
つくったりしてます。
なかよくしてね。



国立音楽大学
音楽文化デザイン学科
コンピュータ音楽系 卒業

多摩美術大学 大学院
情報デザイン領域
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