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リズムシたちの制作日記やつぶやきなどなど。など。
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Miles Davis 『Nefertiti』 1967

オススメ度
凡人:☆
ジャズマニア:☆☆☆☆☆

和声レベル:マイルス第二期クインテット的モード
リズムアプローチ:モダンジャズ的なビートを基調とする
            マイルス第二期クインテット的リズムチェンジを多用

*********

1. Nefertiti (W. Shorter)
2. Fall (W. Shorter) 
3. Hand Jive (T.Williams)
4. Madness (H. Hancock)
5. Riot (H. Hancock)
6. Pinocchio (W. Shorter)
7. Hand Jive [First Alternate Take][*] 
8. Hand Jive [Second Alternate Take][*] 
9. Madness [Alternate Take][*] 
10. Pinocchio [Alternate Take][*]

Miles Davis (tp)
Wayne Shorter (ts)
Herbie Hancock (p)
Ron Carter (b)
Tony Williams (ds)

*********

第二期クインテットスタジオ4部作の最後の一枚。
「Sorcerer」とはジャケットや曲調など共通点が多く、双生児アルバムと言ったり言わなかったり。
アコースティックジャズのスタジオアルバムでは最上級のものだと思っています。
無調音楽に近づいた、ケーデンスのない和音進行。
各メンバー達はどこまで分かって演奏しているのか、どこまで考えて演奏しているのか、実はでたらめに演奏しているのか、判別できそうでまったくできない。
でも不思議なほど理知的な美しさが醸し出されている、なんともいえないアルバムです。

モードを使っての音列的なアプローチは、ここが頂点なのでしょう。
この作品以降、マイルスはロックのリズムや電気楽器への興味を強くしていきます。
ジャズ初心者は間違っても聴いてはいけません。

◇Pick up!!◇
1. Nefertiti
名曲です。
どこか異国風でもある洗練されたメロディライン。
作曲はウェイン・ショーターによるものです。
なんと、フロントマン二人はテーマを吹き続け、ソロをとりません。
少しずつ、徐々に熱くなっていくリズム隊の演奏を楽しむことになります。
リハーサルでテーマを繰り返し吹いて練習しているテイクだ、という噂も流れましたが・・・

2. Fall
名曲が続きます。
これもショーター作曲。ゆったりバラード。
この雰囲気には中毒性があります。
ハービーの禁欲的な弾きすぎずにハーモニーを聴かせる感じのソロが良いですね。
Nefertitiと同じくたった16小節のループ。
それだけで、これ程の音楽を作り出す能力がこのバンドにはありました。

6. Pinocchio
第二期クインテットの雰囲気が濃縮されたような曲。
コード進行をアナライズするとしたら、全てが「転調」でしょうか。
そうとしか分析できません。
しかし、リズム面では所謂普通の4ビートジャズであるという、おかしな曲でもあります。
遠くからぼんやり聴こえてきたら、普通のジャズナンバーに聴こえるのではないかと思います。




Miles Davis『E.S.P』 1965


オススメ度
凡人:☆
ジャズマニア:☆☆☆☆

和声レベル:マイルス第二期クインテット的モード
リズムアプローチ:モダンジャズ的なビートを基調とする
            マイルス第二期クインテット的リズムチェンジを多用

*********

1.E.S.P. (M. Davis)
2.Eighty-One (R. Carter)
3.Little One (H. Hancock)
4.R.J. (R. Carter) 
5.Agitation (M. Davis)
6.Iris (W. Shorter)
7.Mood (R. Carter)

Miles Davis (tp)
Wayne Shorter (ts)
Herbie Hancock (p)
Ron Carter (b)
Tony Williams (ds)

*********

ウェイン・ショーター加入後の初のスタジオ録音盤です。
後に発表する「Miles Smiles」「Sorserer」「Nefertiti」とあわせて、第二期クインテットスタジオ4部作とくくられるようことが多いようですね。
各メンバーの作曲したオリジナル曲が光ってます。モード以前のツーファイブ的進行はほとんどない、この時代のサウンドに適した曲ばかり。
表題曲であるE.S.P. の作曲はマイルス名義になっているけれど、実際に作ったのはウェイン・ショーターであった気がする。
所謂普通のジャズを聴きたい人にはあまりおすすめできないけれど、この音楽的な完成度の高さは一聴の価値ありです。

◇Pick up!!◇
1.E.S.P.
第二期クインテットによる新しいサウンドの幕開けを象徴するような楽曲。
ウェイン・ショーターに先にソロを取らせています。
新メンバーにハイライトを譲ったのか?と思いきや、この後マイルスは吹きまくります。
めずらしく高音も使い、高速フレーズを吹きまくります。吹きまくります。

2.Eighty-One
ロン・カーター作曲による、おそらく初めてマイルスバンドに8ビートを取り入れた作品。
このビートの起用は誰の提案によるものかは分かりませんが、マイルスバンドでこのビートが使われることは、
後に重要な意味を持ってきます。
モードの響きを使っているものの、基本構造はシンプルな12小節ブルース。
ロン・カーターはシンコペーションを多用した躍動感のあるベース・パターンをメインに演奏しています。
曲中での4ビートへチェンジする部分もかっこ良い。

6.Iris
ウェイン・ショーター作曲、ゆったりとした3拍子の曲。
浮遊感のある美しいメロディとハーモニー。
こういった雰囲気を出すために積極的に#11の音が使われているようですね。
メジャーコードはリディアン化、7thコードもほとんど#11を含んだボイシング、スケールを用いて演奏されているように思います。

cuba.jpg











世界民族音楽大集成
WORLD MUSIC GALA COLLECTION 94
キューバの音楽

*data*
1.アララのフォダンの歌と踊り
 1)エビオソ 1:56
 2)ダルア 2:33
 3)アホシ 2:27
 4)オフン・デガーラ 3:41
2.ハイチ人のヴードゥーの儀式と踊り
 1)ガガの踊りと行列の開始 4:59
 2)ダホメーのダンス(ヤンヴァロゥ) 5:19
 3)ヴードゥー・ダンス 4:12
3.サンテリア(バタ) 6:50
4.コンゴ教団/パロ・モンテ 12:58
5.サンテリア(アブウェス)
 1)オチュンに捧げる歌 0:19
 2)チャンゴに捧げる歌 4:27
 3)オッグンに捧げる歌 1:12
6.アバクワのウェンバ 5:06
7.タンボール・ユカ 4:57
8.ルンバ
 1)グァグァンコ 5:04
 2)コルンビア 6:37


1.ホヴェリャノス/マタンサスの<オフン・デガーラ>アンサンブル
ソロと指揮:ミゲルナ・バロ(1-1,2,3)
ソロ:クシスト・フランコ(1-3)
2.-1ロス=マークトス/カマグェイの<カイディヘ>アンサンブル
2.-2,3グァンタナモ/グァンタナモの<ロコシア>アンサンブル
3.レグラ/ハヴァナのルクミース共同体
4.ハタ/グァナバコアの<ババラウォ・エンリケ>と
 ロス・イホス・デ・サン・ラザロ寺院の人々
5.ババラヴォ・レネとレグラ/ハヴァナのサン・クリストバル寺院の人々
6.エンリカモ、ビアンコメーナとハタ/グァナバコアの<アバクワ>結社のメンバー
7.サン・ルイス/ピナール・デル・リオのアンサンブル
8.ハヴァナの<アンブ>アンサンブルのメンバー
 ソロイスト:オスカー・エルナンデス、マルティン・ラモス・モレホン

 

キューバの島にはアフリカ起源の音楽が存在する。
四世紀に渡り、奴隷貿易、集中的な奴隷制度が行われてきた。移民たちは祖先からの慣習や宗教を一部にせよ守ってこられた。→各「民族」にカビルドス(黒人たちをアフリカでの故地にしたがって結びつけ、相互扶助と社会的援助を行う組織)を作る権利を認めた古いセヴィリヤの法律による。

著名な集団
・カビルドス・ルクミース族(ヨルバ族)
・アララ
・カラバリ(カラバールス)
・コンゴス・レアレス(アンゴラ族)
表面上はカトリックに改宗している。
多くのカビルドスはカトリックの守護聖人や伝説上の聖人の庇護下に自分たちをおく。→習合
キリスト教の一神教とアフリカの汎神的な体系との融合。
相似したもの同士の補完も見られる。

信者たちは各々の神々のために歌い踊り、神々の方も「熱烈な信者」の肉体と魂に入り込むことで、その踊りに参加する。これが「憑依」ダンスまたは「神懸り(トランス)」である。


使われているイディオム
・打楽器のポリリズムと多調性
・コーラスとソロ演奏者が交互に歌う
全体を通しての共通するスタイル。


1.について
アララ教徒はサバル、マイノ、またはダホメー族であるという。
録音はホヴェリャノスにて。信者たちのグループはほぼバロ「ダホメー」一族のメンバーで成り立っていた。
ヨルバ族と関係がある。キューバのギニア系の教団としては最も古い形を残すもののひとつ。
儀式の歌には聖者への称揚、祖先(ククト)への誉め歌、「憑かれたもの」の踊りがある。
男女の踊り手はそれぞれの聖者の象徴で飾り立て、聖者の色の服を着る。

ソロ演奏者には呼びかけに答える小さなコーラスと打楽器のアンサンブルがつく。
・大型のドラム(大きいほうからフンガ、ゲッデ、フンシート)
・平らなベル(オガン)
・金属製のマラカス(チェレ)

最後の歌と踊りは奇跡の鳥オフン・デガーラにささげられたもの。
この鳥は信じるものに永遠の生命を約束し、このアンサンブルの守護者であり象徴。

 

2.について

・ガガの儀式
カマグエイのカイディーヘ・グループはハイチの黒人たちの移民の子孫を住民に含む。
サンタ・クルス・デル・スルに近い村、ロス・マークトスでの聖金曜日のガガ(ララ)の儀式を録音した。
録音は儀式の最初のララ・ダンス。
メンバーは「ラ・プラーセ(儀式の主催者)」に率いられる。
編成は
・ドラムと「タンボネ」のワンセット
・舌が外にある鐘(オガン)
・ガラガラ(チャチャ)
・ほら貝(ランビ)
・2本の竹のトランペット(バシンス)
・ホイッスル


・ヤンヴァロゥ・ダンス
それぞれの「ナンチョン・デ・ロア」は固有の足運びや踊りを持っている。
・ダホメー、コンゴ、ペトロ、イボ・ダンス
ペトロのグループではボウンバ、キタ、ペトロ。
ダホメーでは、ヤンヴァロゥ、ダホメー・ゼポール(ショルダース)、マイなど。


・ヴードゥー・ダンス
マンボ(女司祭)自身がロア(ヴードゥーの神)に憑かれ、交感する。
ヤンヴァロゥとヴードゥーのダンスはロコシア・アンサンブルが演じている。

 

3.について
この教団はヨルバ(オリチャ)の英雄神と、それらのカトリック協会との習合先に対する信仰を基礎としている。
ヨルバはキューバではルクミースまたはルクミと呼ばれ、20ほどのオリチャを信仰している。
それに加えて信者(サンテーロまたはサンテーラ)は、自分個人の聖人を選ぶか、特定のオリチャに身を捧げる。
信者は家の中にその神を祭り、神とともに踊る。
サンテリアの聖なるドラムはサイズの異なる二つの革のヘッドを持つ「バタ」である。
サイズは3種類(大きいほうからイヤ、イトテーレ、オコンコロ)。
イヤには家畜用の鐘(チャウォロ)を一列につなげたものがついている。


4.について
寺院での録音
レグラ・コンガはキューバではバンツー一族、コンゴ共和国、ザイール、アンゴラの住民たちの教団として知られる。
ンガンガは聖者の生命力を包含しているとされ、人間の頭蓋骨、骨、魔力を持つ草や石、墓地の土、小動物や昆虫の死骸などをある意味のある棒(パロス)とともに入れる。
ルクミースと同じように、信者たちは自分の家にンガンガを招き入れる。
教団が寺院で行う儀式
・入信の儀
・動物の生贄の奉納
・死者の葬儀と追悼
・祭儀

アコンリン(リード・シンガーたち)は次々と入れ代わり、ドラマーもリレーしながら夜を徹する。

 

5.について
ルクミース社会の一部ではバタの役割を3つのアブウェスまたはチェケレスが担う。
→大きな瓢箪を網に包んで作られたガラガラ。
網の糸に硬い種子やガラスの真珠がついている。
一番大きなものはバタ・イヤの役割。基本的なリズムを提供し、時に即興したり技巧を凝らした演奏をする。
他の二つは規則的なリズムを。
録音は19の歌からなる儀式の2、3、4番。

 

6.について
秘密結社「アバクワ」は1820年ごろ発展。黒人に熱心な信者を獲得、白人にまで広まった。
男性のみが入会資格を持つ。
歌と踊りは司祭が実演する。
腰まで裸になり、4本のドラムと舌が外にある鐘、マラカスが伴奏につく。

 


7.について
タンボール・ユカとは日曜ごとの儀式の習慣のこと。
歌と踊りの伴奏には小さなタピオカの樹をくりぬき、一枚だけ皮をはった簡易なドラムものを用いる。
皮の表面と胴体を両手かかばちで演奏する。
もともとのレパートリーはタバコ畑で働く集団が歌っていた労働歌。
バンドは3本のドラム(大きいほうからカハ、ムラ、カチンボ)、鍬(グアタアカ)が1本、円筒形の拍子木(クラヴェス)がつく。
ソロ・シンガー(ガリョ)による短い式文とコーラスによる応答が交互に歌われる。
歌詞は崩れたスペイン語。
このダンスがルンバ(runba)の起源になっている。

 

8.について
キューバでは1886年に黒人の連行と奴隷制が廃止された。
25万人以上の奴隷が解放されたが、土地も家もないため、大都市の郊外に集まる。
→レグラ、グアナボコアなどのスラム街ができた。
ここでルンバ(runba)が生まれる。
黒人のための完全に宗教色のない儀式。
当初は引き出しを逆さにしたものを叩いて伴奏をしていた。
後に箱になり、その後本物のドラム(一枚皮の単純なもの)となった。

ルンバは完全に黒人のものではないが、アフリカに起源をもつ。
打楽器の低い音域のものは自由に即興で演奏される。
高い音域の打楽器は一定のリズムをキープする。
大きなドラムは「エンブラ(女性)」といわれる。中間のものは「マチョ(男性)」、ピッチの高いものは「キント(5分の1)」と呼ばれる。
古いルンバの形式は劇場の外では残っていない。
グァグァンコ、コルンビアのみが残る。

・グァグァンコ
踊り手は誘惑と、性的な所有をめぐる戦いを模倣する。
男性は女性を征服する欲求を表現。
女性はそれをかわしていく。
・コルンビア
さらに早い踊り
ソロで踊り、痙攣するようなアクロバティックな動作をする。


参考:CDライナーノーツ 著者 Herman C. Vuylsteke   訳  大島 豊 

sunlight.jpg









Herbie Hancock  『Sunlight』
1978.8 SME

ハービー・ハンコック

1.I Thought It Was You
2.Come Running To Me
3.Sunlight
4.No Means Yes
5.Good Question


Personnel
Herbie Hancock(key,vo)

1.
Leon"Ndugu"Chancler(ds)
Byron Miller(b)
Wah Wah Watoson(g)
Ray Parker,Jr(g)
Raul Rekow(conga)

2.
James Levi(ds)
Paul Jackson(b)
Bill Summers(per)
Baba Duru(tablas)
Raul Rekow(congas)

3.
James Levi(ds)
Paul Jackson(b)
Ray Perker,Jr(g)
Bill Summers(per)
Bannie  Maupin(ss)

4.
Hervey Mason(ds)
Paul Jackson(b)
Bill Summers(per)
Raul Rekow(congas)

5.
Tony Williams(ds)
Jaco Pastorius(b)
Bill Summers(per)
Raul Rekow(congas)
Patrick Gleeson(aditional synth)

1978 San Francisco

Yamaha CP-30
Poly-Moog
ARP Odyssey
Micro-Moog
Mini-Moog
Hohner D6 Clavinet
Oberheim Polyphonic Synthsizer
Yamaha Polyphonic Synthsizer
ARP 2600
ARP String Ensemble
Sequential Circuits Propfet Synthsizer


ファンクやディスコの系譜に新たな道筋をもたらしたアルバム。
ハープ・アルバート「ライズ」は79年。クインシー・ジョーンズ「愛のコリーダ」81年。
自分で歌いたいという欲求により、ヴォーカル・フォーマットの採用。

 

ビルボード誌によると、「トップ10ジャズ・アルバム78」で1位、
「トップ・ジャズ・アルバム・オヴ1978(年間集計)」で12位。
1位は「フィール・ソー・グッド/チャック・マンジョーネ」2位「ロスの週末/ジョージ・ベンソン」
3位は「イメージズ/クルセイダーズ」4位「ライブ・アット・ザ・ビージュー/グローヴァー・ワシントンJr.」
5位「虹の楽園/ジョー・サンプル」

プロフィール
なまえ:
成瀬つばさ
自己アピールらん:
音大&美大院卒。
絵を描いたり音のおもちゃを
つくったりしてます。
なかよくしてね。



国立音楽大学
音楽文化デザイン学科
コンピュータ音楽系 卒業

多摩美術大学 大学院
情報デザイン領域
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