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Miles Davis 『1969Miles』 1969

オススメ度
凡人:☆
ロストクインテットファンな人:☆☆☆☆☆

和声レベル:マイルス的モード
      音の歪みによりさらにフリーハーモニー化が進む
リズムアプローチ:ロック、ファンクを取り入れたスウィング

*********

1. Directions
2. Miles Runs The Voodoo Down
3. Milestones
4. Footprints
5. Round About Midnight 
6. It's About That Time
7. Sanctuary~The Theme

Miles Davis(tp)
Wayne Shorter(ss,ts)
Chick Corea(elp)
Dave Holland(b,elb)
Jack Dejohnette(ds)

*********

あまりにも凄まじいアルバムです。
メンバーはロストクインテットと呼ばれる、第二期クインテットからウェイン・ショター以外の3人がメンバーチェンジしたものです。
この編成で録音しているアルバムは少ないため、知名度は低いのですが、ものすごい演奏をしていたことがこのCDを聴けば分かると思います。

楽器の電化が進み、ウェイン・ショーターもそれに合わせてソプラノサックスを使うようになってきています。
その状態で、3.4.5.などの古い時代の曲も演奏しているというのも興味深いですね。

管楽器2人のサウンドも異常なくらい攻撃的になっています。
激しすぎるジャック・デジョネットのドラミングも良い、それにバッチリついていき、時には引っぱるデイブ・ホランドのベースも良い、壊れそうなぐらい歪んでいるチック・コリアのフェンダー・ローズも良い。
全部良いのです。

"おしゃれジャズ"が好きな人は間違ってもこのCDは買わないように。

◇Pick up!!◇
1. Directions
いきなりソロでぶっとんでいるマイルス。
こんなに吹く人だっただろうか。
ショーターもリズム隊に押されてすごい勢いでうねってます。
もう圧倒されるようなテンションでの演奏。

4. Footprints
チック・コリアのソロが最高。
歪ませているため、和音を弾いたときにギャーンとひっかかったような痛い音が鳴るのですが、そのサウンドがまた良い。
熱のこもった演奏を聴いているうちにいつも何の曲だったか忘れそうになり、後テーマを吹きはじめた所でやっとFootprintsだったことを思い出す。

5. Round About Midnight
冒頭のチックのバッキングにセンスを感じます。
ハービーとはまた少し違ったタイプの自由なハーモニーセンス。
あの有名な"キメ"はこの演奏にも入ってます。
それが今までの、どのテイクよりもかっこいい。
すごいテンションで"キメ"に突入し、高速4ビートに移るこの展開は何度聴いても鳥肌がたちますね。
 

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