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Miles Davis『In a Silent Way』 1969
オススメ度
凡人:☆☆
アンビエント好きの人:☆☆☆☆
和声レベル:マイルス的ポリ・モーダル
リズムアプローチ:ミニマル的反復
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1. Shhh/Peaceful
2. In a silent way/It's about that time
Miles Davis(tp)
Wayne Shorter(ss)
Herbie Hancock(elp)
Chick Corea(elp)
Joe Zawinul(elp,org)
John McLaughlin(g)
Dave Holland(b)
Tony Williams(ds)
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マイルス流アンビエントミュージック。
この年の数ヵ月後に発表する傑作『Bitches Brew』とは、性格は大きく異なるものの、アプローチは近いものがあるのではないかと私は感じます。
リズム隊はひたすらオスティナート、複数奏者による和声レイヤー。そこに重なるソロ。
そんな音楽を即興で作り上げる試みに、このアルバムでは成功しています。
後に、ファンク、ロックのリズムでのポリ・モーダル的即興演奏をするための、準備段階だったのかもしれません。
ドラムは、マイルスバンドからは退団していたトニー・ウイリアムスによるもの。
アコースティックジャズをプレイしていた頃とは別人のように抑圧された演奏です。
発表当時、どんな評価を得られていたかはともかく、現在の私たちが聴いても素直に楽しめる佳作だと思います。
◇Pick up!!◇
2. In a silent way/It's about that time
ジョン・マクラフリンの暖かいギターの音からはじまるこの曲。
It's about that timeのテーマが耳に残ります。
3小節ループのテーマはトランスのような中毒性がありますね。途中で変化するベースラインは2小節ループになっていて、ずれが聴いていて楽しい。
オススメ度
凡人:☆☆☆
リラックスしたジャズが聴きたい人:☆☆☆☆
和声レベル:ハードバップ
リズムアプローチ:スウィング
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1. If I Were a Bell
2. You're My Everything
3. I Could Write a Book
4. Oleo
5. It Could Happen to You
6. Woody 'N You
Miles Davis(tp)
John Coltrane(ts)
Red Garland(p)
Paul Chambers(b)
Philly Joe Jones(ds)
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プレスティッジ、マラソンセッション4部作の一枚。
タイトル通り、アルバム全体が非常にリラックスしたものになっています。
演奏前後の会話もカットせずに入れてある部分もあります。
レッド・ガーランドのイントロを、ピューイと口笛で制し、「ブロックコードにしろ」とマイルスが要求するやりとりは有名。
現在でもジャムセッションでとりあげる定番の曲、定番のイントロがたくさん録音されているので、駆け出しのプレイヤーの方は必聴。
このアルバムはCDでは持っていないため、普段はレコードで聴いています。
こういう時代の録音は、LPで聴くのもいいですよ。
ジャケットも、レコードのサイズを意識して作られたものが多くて、CDサイズで売られているのを見ると、違和感を感じることもあります。
◇Pick up!!◇
1. If I Were a Bell
レッド・ガーランドの名イントロ。
曲名を言わずともこのイントロを弾けば、この曲が始まります。
ソロの後半では、レッド・ガーランド流ブロック・コードも堪能できます。
左手はクローズボイシング、右手はメロディをオクターブ+間に5度を同時に鳴らしているものなのですが、このサウンドを聴くと不思議と懐かしい気持ちになります。
Miles Davis 『Four & More』 1964
オススメ度
凡人:☆☆
メタルより速い音楽が聴きたい人:☆☆☆☆
和声レベル:ハードバップ~モード
リズムアプローチ:ダウンビートのスウィング
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1. So What
2. Walkin'
3. Joshua
4. Go-Go (Theme and Announcement)
5. Four
6. Seven Steps to Heaven
7. There Is No Greater Love
8. Go-Go (Theme and Announcement)
Miles Davis(tp)
George Coleman(ts)
Herbie Hancock(p)
Ron Carter(b)
Tony Williams(ds)
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こんなにスピード感のあるアルバムが他にあるでしょうか。
エンジン全開のトニー・ウイリアムスのドラムに、全員が絶妙のバランス感覚で振り落とされずに、各々のやりたい事を全力で表現している、そんな音楽。
CDをかけたら最後まで、落ち着ける所はありません。もう一歩で崩れてしまいそうなものすごい緊張感。
マイルスのアコースティックなライブアルバムではこれが一番、という人も多いみたいですね。
ウェイン・ショーターは加入前。ジョージ・コールマンという、いろいろと評判の悪い(といったら失礼か。)サックス奏者が吹いています。
このアルバムについて語るとき、「やっぱりジョージ・コールマンは駄目だ」という人と、「いや、悪くないんじゃないか。このアルバムにはジョージ・コールマンがふさわしかった」という派に分かれると思います。
後にハービーは、「最初はトニーのドラム、ロン・カーターのベースについていくのに必死だった」みたいな事を何かのインタビューで語っていましたが、この頃の演奏ではむしろハービーがたくさんの仕掛けを出しているように聴こえます。
それに気持ち悪いぐらいの瞬発力で反応する2人。
どうなっているんでしょう、この人たちは。
◇Pick up!!◇
1. So What
最初の録音に比べて、ものすごいテンポが速くなってます。
そしてテーマのベースラインを簡略化してます。
このテンポではこちらの方が、かっこいいと思ったのか、このテンポでは弾けなかったのかどちらでしょうか。
最初から全力投球のマイルスも、リズム隊3人の異常なくらいのコンビネーションも必聴。
6. Seven Steps to Heaven
バンドのカラーに合わないと判断したのか、この演奏以降ほとんどCDには収録されていません。
若きトニー・ウイリアムスの瞬速ドラミングは、聴いていてもう笑いすらこみ上げてきます。
7. There Is No Greater Love
ミドルテンポでの演奏。
ハービー・ハンコックのソロの後半、どちらかというとコーダルなアプローチによるスケールアウトは何だか幾何学的な美しさを感じます。
オススメ度
凡人:☆☆☆
マイルスの"歌"が聴きたい人:☆☆☆☆
和声レベル:ハードバップ
リズムアプローチ:スウィング
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1. My Funny Valentine
2. Blues by Five
3. Airegin
4. Tune Up/When the Lights Are Low
Miles Davis(tp)
John Coltrane(ts)
Red Garland(p)
Paul Chambers(b)
Philly Joe Jones(ds)
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プレスティッジでのマラソン・セッションと呼ばれる4部作の中の一枚。
2日間のレコーディングで4枚の傑作を作り上げたことは伝説となっていますね。
その2日間は連続した2日ではなく、実は5ヶ月以上あいています。1956年5月11日と10月26日。
本作は10月26日でのセッションの録音だけを集めたものになっていて、4部作の別の作品よりも全体的にまとまりが感じられます。
マイルスが、トランペットの歌うようなトーンを完全に確立しているのに比べて、ジョン・コルトレーンはまだ自分の演奏を模索しているような印象を受けます。(でもこれが妙に耳に残る。)
1. My Funny Valentineの人気が高くて、たくさんの人に愛されている名盤です。
ジャズらしいジャズを聴きたい方にも迷わずおすすめできる一枚。
◇Pick up!!◇
1. My Funny Valentine
レッド・ガーランドのコロコロ転がるピアノによる、綺麗なイントロから始まります。
フランク・シナトラのようにトランペットで歌い上げるマイルスのこの演奏は唯一無二のものですね。
絵を描いたり音のおもちゃを
つくったりしてます。
なかよくしてね。
国立音楽大学
音楽文化デザイン学科
コンピュータ音楽系 卒業
多摩美術大学 大学院
情報デザイン領域