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Miles Davis 『Miles Smiles』 1966
オススメ度
凡人:☆
笑うマイルスも好きになれる人:☆☆☆☆
和声レベル:マイルス第二期クインテット的モード
リズムアプローチ:モダンジャズ的なビートを基調とする
マイルス第二期クインテット的リズムチェンジを多用
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1. Orbits (W.Shorter)
2. Circle(M.Davis)
3. Footprints(W.Shoter)
4. Dolores(W.Shoter)
5. Freedom Jazz Dance(E.Harris)
6. Gingerbread Boy(J.Heath)
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第二期クインテットのスタジオ2作目。
ジャケットの笑っているマイルスはとても気持ち悪いです。とか言わないように。
前作E.S.Pよりも格段にパワーアップした演奏が聴けます。
ライブを繰り返すうちにつかんできたと思われる、インタープレイやリズムチェンジが作品の中に活かされています。
オリジナル曲で固めてあるため、一般のリスナーに人気がある作品ではないみたいですが、傑作中の傑作だと思ってます。
残りの2作(『Nefertiti』『Sorcerer』)における異常なほどの神秘性に比べたら、本作は明快な部分も多く、陰鬱な雰囲気は少ない感じがします。
全トラックが名曲、そして名演です。
良いと思えるまでぜひ聴き込んで欲しいアルバムですね。
◇Pick up!!◇
1. Orbits
2008年に菊地成孔ダブ・セクステットがアルバム『Dub Orbits』でカバーしました。
ウェイン・ショーターの作曲で、もうすごいスピードでモード(コード)チェンジしております。
これぞ、第二期クインテットサウンド。
3. Footprints
これもウェイン・ショーターの作曲で、現在スタンダードにもなっている名曲。
曲中でリズムを変えていく手法が効果的に使われている曲、演奏です。
6/8拍子で始まり、BPMはキープされたまま、倍テン、4ビート、アフロなど瞬間的に変化したり、戻ったり。
5. Freedom Jazz Dance
最初のテーマでのマイルスは明らかにフライングしてます。
トニー・ウイリアムスのこの時期には珍しいファンキーなドラムに注目。
Miles Davis 『Birth of the Cool 』 1950
オススメ度
凡人:☆
ギル・エヴァンスファンの人:☆☆☆☆
和声レベル:ボイシングまで緻密にアレンジされたビ・バップ
リズムアプローチ:スウィング
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1. Move
2. Jeru
3. Moon Dreams
4. Venus De Milo
5. Budo
6. Deception
7. Godchild
8. Boplicity
9. Rocker
10. Israel
11. Rouge
12. Darn That Dream
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若きマイルスが、クール・ジャズサウンドを作り上げた、歴史的に重要な一枚。
ギル・エヴァンスやジェリー・マリガンらの優れたアレンジが聴けます。
フレンチホルンやチューバも含むノネット=九重奏という変わった編成での演奏で、ジャズ初心者にとっては聴き慣れないサウンドだと思われます。
それなのに、名盤コーナーなどにどーんと置いていたりするので、所謂"普通のジャズ"が聴きたい方は買わないよう注意。
ビ・バップに憧れつつも、限界を感じていたマイルスの、アンチビ・バップ音楽。
ビッグバンドのようなお祭り騒ぎ感はない、スタイリッシュな演奏集です。
『Complete Birth Of The Cool』の方にはライブ録音も含まれているので、そちらもおすすめ。
◇Pick up!!◇
6. Deception
マイルスのオリジナル。
少しばかり凝った構成になってますね。
ソロ中にバックで鳴るホーンサウンドが楽しいです。
10. Israel
後にビル・エヴァンスが名演奏を残す楽曲。
整えられたアレンジにインテリジェンスを感じます。
Miles Davis 『Someday My Prince Will Come』 1961
オススメ度
凡人:☆☆☆
真っ当なジャズファン:☆☆☆☆
和声レベル:ハードバップ
リズムアプローチ:シンプルなスウィング
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1. Someday My Prince Will Come
2. Old Folks
3. Pfrancing
4. Drad Dog
5. Teo
6. I Thought About You
7. Blues No. 2 [*]
8. Someday My Prince Will Come [Alternate Take]
Miles Davis (tp)
Hank Mobley (ts)except 5.
John Coltrane(ts)1. 5.
Wynton Kelly (p)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (ds)
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何故か、演奏は悪くないのにどうしても好きになれない演奏者というのがいるものです。
私の場合それが、ウイントン・ケリー。
優雅な演奏で、抜群のスウィング感。ジャズピアニストは手本にすべきフィーリングです。
その健康すぎる感じがどうしても気質に合わない。
世の中のたくさんのジャズファンはこのコロコロした演奏が大好きなのだろうけれど。
同じく健康的なスウィング感のドラマー、ジミー・コブも参加しています。
そしてその健康すぎる雰囲気がこのアルバム全体に漂っています。
真っ当なハードバップのアルバム。
「Kind of Blue」の後にこのアルバムがあるのがどうしても納得できません。
モード的奏法が消化された演奏は、第二期クインテットメンバーの登場を待たなければいけません。
ジャズ初心者には聴きやすいアルバムになっています。
ジャズっぽいジャズを聴きたい方にはおすすめ。
◇Pick up!!◇
1. Someday My Prince Will Come
Fペダルを効果的に使ったアレンジがわくわくします。
マイルスの歌うようなミュートトランペットが聴きどころでしょうか。
5. Teo
マイルスのオリジナル曲。
ソロがいいですね。気持ちのいい高音が聴けます。
バンドからは抜けていたジョン・コルトレーンもゲスト(?)で演奏してます。
Miles Davis 『On the Corner』 1972
オススメ度
凡人:☆
ファンク好き:☆☆☆☆
和声レベル:ポリトーナリティー
ベースラインはシンプルなワンコード系パターン
リズムアプローチ:アフロ・ファンク、ポリリズム
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1. On the Corner/New York Girl/Thinking of One Thing and Doing Another
2. Black Satin
3. One and One
4. Helen Butte/Mr. Freedom X
Miles Davis(tp,org)
Michael Henderson(b)
Al Foster(ds)
Mtume(per)
Dave Liebman(ss)
Sony Fortune(as)
Carlos Garnett(ts)
Bennie Maupin(bcl)
Cedric Lawson(synth)
Herbie Hancock(elp,synth)
Chick Corea(elp)
Harold Williams(org,synth)
John MClaughlin(g)
David Creamer(g)
Paul Buckmaster(el-cello)
Pete Cosey(g)
Reggie Lucas(g)
Jack Dejohnette(ds)
Billy Hart(ds)
Bada Roy(tabla)
Don Alias(per)
Lonnie Liston Smith(org)
Al Foster(ds)
Colin Walcott(el-sitar)
Khalil Balakrishna(sitar,el-sitar)
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名盤です。雑誌に名盤として載っているかもしれないし、CDショップでもそこそこなポジションで売られているかもしれない。
最近発売された、未発表テイクを含むボックスセットも大々的に売られていました。
が、ジャズ初心者は間違っても聴いてはいけません。挫折します。
演奏者のクレジットがすごいことになっていますね。
これで全員なのか、もしくはこのメンバーが本当に全員演奏しているのか、全て怪しいです。
CDを再生すると、圧倒的にパーカッシヴな音の洪水に驚かされるのではないでしょうか。
タブラやシタールなど、インド楽器も導入し、良いエキゾチック感が出てますね。
しかし、音は最悪。
マルチトラックレコーダーで録音し、がんがんにコンプレッサーをかけ、すごいミックスになってます。
何の楽器がよく聴かないと判別すらできません。
パッと聴き、素晴らしい一発録音セッションの結果できた音楽のような印象を受けるのですが、実は緻密な編集をされたものだということが現在分かっています。
踊れる音楽、でもインド音楽のように無限に続いていくなかでトランスするような気持ちよさがある、そんなCDです。
絵を描いたり音のおもちゃを
つくったりしてます。
なかよくしてね。
国立音楽大学
音楽文化デザイン学科
コンピュータ音楽系 卒業
多摩美術大学 大学院
情報デザイン領域