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リズムシたちの制作日記やつぶやきなどなど。など。
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高橋悠治 『ケージ:プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード 』 1975

オススメ度
凡人:☆
プリペアされたピアノが好きな人:☆☆☆☆

和声レベル:パーカッシブなサウンドによる無調
リズムアプローチ:クラシック

*********

プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード
1.ソナタ第1番
2.ソナタ第2番
3.ソナタ第3番
4.ソナタ第4番
5.第1インターリュード
6.ソナタ第5番
7.ソナタ第6番
8.ソナタ第7番
9.ソナタ第8番
10.第2インターリュード
11.第3インターリュード
12.ソナタ第9番
13.ソナタ第10番
14.ソナタ第11番
15.ソナタ第12番
16.第4インターリュード
17.ソナタ第13番
18.ソナタ第14,15番
19.ソナタ第16番

高橋悠治(プリペアド・ピアノ)

*********

ジョン・ケージが偶然性を取り入れた曲を作る試みを始める前、1946~1948年にかけて作曲された、プリペアド・ピアノのための楽曲。

彼が発明(?)したプリペアド・ピアノのサウンドが前面に使われています。
1935年頃、打楽器による音楽がステージの大きさの制約により演奏困難だったために、ピアノの弦の上に様々なものを置いて演奏することを検討したのが、プリペアのはじまりだといわれています。
収録されている曲では、ボルト、ナット、ねじなどの金属、ゴムやプラスチック片がピアノにはさまれているようです。
音程感のない音によって、12音技法を使わずとも無調を実現しました。

このCDは高校の頃に買っていて、眠る時や落ち着きたい時によく聴いたものです。
無調の音楽というと、とっつきにくいと思われるかもしれませんが、この曲を初めて聴いたとき不思議な懐かしさを感じたのを覚えています。
一般の音楽のイメージとは離れているかもしれないけれど、こんな音の響きを、生きているうちにどこかで聴いているのかもしれません。

高橋悠治さんの演奏、本人によるプリペアも素晴らしいので、プリペアド・ピアノの音がどんなものなのか聴いてみたい人にはぜひともおすすめしたい一枚です。

◇Pick up!!◇
1.ソナタ第1番
曲頭が耳に残っていて、つい口ずさんでしまうとても好きな曲。
暖かみのある演奏が心地良いです。



クロード・ドビュッシー『世紀の名ピアニストたち』 1996

オススメ度
凡人:☆☆☆
作曲者自身の演奏が聴きたい人:☆☆☆☆

和声レベル:近代フランス和声
リズムアプローチ:クラシック

*********

1. 前奏曲第1巻第1曲~デルフィの舞姫たち 
2. 前奏曲第1巻第10曲~沈める寺 
3. 前奏曲第1巻第11曲~パックの踊り 
4. 組曲「子供の領分」 
5. スケッチ帳より 
6. レントよりおそく 
7. 版画第2曲~グラナダの夕暮れ 
8. 版画第3曲~雨の庭 
9. 前奏曲第1巻第8曲~亜麻色の髪の乙女 
10. 同第2巻第3曲~ヴィーノの門 
11. アラベスク第1番ホ長調 
12. アラベスク第2番ト長調 
13. 前奏曲第1巻第2曲~帆 
14. ベルガマスク組曲第3曲~月の光 
15. 夢 
16. 映像第2集第3曲~金色の魚 
17. 同第1集第1曲~水の反映 

演奏
クロード・ドビュッシー(1.~7.)
ヨランダ・メロ(8.)
ルドルフ・ガンツ(9.10.)
レフ・プイシュノフ(11.)
カロル・ロビンソン(12.)
ワルター・ギーゼキング(13.)
シュザンヌ・ゴデヌ(14.)
フレデリコ・ブファレッティ(15.)
リヒャルト・ブーリヒ(16.17.)

*********

ロール・ペーパーに記録されていた演奏を、リプロデューシング(自動演奏)ピアノで再生し、録音したものです。
ドビュッシー本人の演奏が聴ける貴重なCD。
もちろん再現度は完全ではないと思うのですが、それでも100年近く前にどんな演奏をしていたのか、クリアな音で聴くことができるのは嬉しい。

ドビュッシーの名曲は一通り収められているので、単に彼の曲を聴きたい方にもおすすめ。
どの曲が良いと言い辛いくらい、全部が本当に名曲ですね。

現在の演奏とはテンポ感、表現の仕方がずいぶん違う箇所もあれば、ほとんど変わらない部分もある。
演奏家の方は聴いてみるといろいろ発見があると思います。

◇Pick up!!◇
2. 前奏曲第1巻第10曲~沈める寺
後にコンテンポラリーなスタイルでのジャズボイシングの基本となる、4度堆積のような和音が使われていることに注目。
このような和音は、印象派の作曲家やシェーンベルクらによって積極的に使われるようになるのですが、少し調性感の薄いふわっとした響きが心地よいですね。
 



Bill Evans 『Waltz for Debby 』1961

オススメ度
凡人:☆☆☆☆
リリカルな音に浸りたい人:☆☆☆☆☆

和声レベル:ハードバップ(エヴァンスによる新しいボイシング)
リズムアプローチ:スウィング

*********

1.My Foolish Heart
2.Waltz For Debby(Take2)
3.Detour Ahead(take2)
4.My Romans(take1)
5.Some Other Time
6.Milestones
7.Waltz For Debby(take1)
8.Detour Ahead(take1)
9.My Romans(take2)
10.Porgy(I Love You, Porgy)

Bill Evans(p)
Scott LaFaro(b)
Paul Motian(ds)

*********

1961年のヴィレッジバンガードでのライブアルバム。この時の演奏は他に『Explorations』『Sunday At The Village Vanguard』でも聴くことができます。

時々、ビル・エヴァンスしか聴きたくない時期がおとずれる。
自分だけの世界に沈んでいる時、他のジャズミュージシャンの演奏ではうるさいのだ。
所謂良い雰囲気で甘ったるい感じのジャズとは似て非なるものだと思います。
暗くて内向的な演奏。閉鎖された表現。小さくて綺麗な世界。
他人には理解してもらえないかもしれない自分だけの気持ちを、ピアノを使うことで芸術的にも高い美しさに変えることができるこの人はすごいと思う。
うらやましい。

どうかこのCDを聴くときは、BGMなんかにしないで、彼の歌を一音一音じっくり聴いてください。

◇Pick up!!◇
1.My Foolish Heart
ジャズミュージシャンは普段この曲を演奏しやすいB♭のキーでやっています。
このテイクではAのキーで演奏。
ビル・エヴァンスは暖かい#系の音が欲しかったのでしょうか。
ベースは開放弦の音も使いやすくなって、のびのびと演奏してますね。

2.Waltz For Debby(Take2)
曲自体はずっと若い頃に作ったもののようです。
これほどリリシズムあふれる演奏が他にあるでしょうか。
全部の音が愛しく感じられる、素敵な演奏。



Ornette Coleman『The Shape Of Jazz To Come』1959

オススメ度
凡人:☆
フリージャズもありだと思う方:☆☆☆

和声レベル:ハーモロディクス理論
リズムアプローチ:フリージャズ

*********

1.Lonely Woman
2.Eventually
3.Peace
4.Focus On Sanity
5.Congeniality
6.Chronology
7.Monk And The Nun
8.Just For You

Ornette Coleman (as)
Don Cherry (cor)
Charlie Haden (b)
Billy Higgins (ds)

*********

モダンジャズ史、歴史の変わり目である1959年に録音された問題作。
フリージャズのパイオニアであるオーネット・コールマンが、独自の「ハーモロディクス」という理論体系によって演奏しているアルバムです。

なんだか立派な理論に聴こえるけれど、ハーモニー、メロディ、リズムを好き勝手に演奏して良いという一種の哲学のようなものみたいですね。
もちろん、デタラメというわけではなく、彼の方法論を消化すれば、自由に演奏しても音楽として成り立つ、ということみたいです。

実際、録音を聴いてみても、「こんなの音楽じゃない」とは思わないんじゃないでしょうか。
意外と普通に和音が鳴っていたり、リズムも刻まれている。
フリージャズ=無調ではありません。どのような調性感で演奏するのも自由。

このアルバムが成功しているかはともかく、オーネット・コールマンの打ち立てたコンセプトは、この後のジャズシーンに大きな影響を与えていきます。

◇Pick up!!◇
1.Lonely Woman
最も有名なフリージャズスタンダード(という言い方をするのか?)。
邦題の「淋しい女」は不思議と印象に残る訳です。
管楽器二人は微妙にずれてる。よく聴くとベースもずれている。ドラムもなんだかあっているようであっていない。コード進行がありそうななさそうな。
それでも訴えかけてくるようなメロディが耳に残ります。

プロフィール
なまえ:
成瀬つばさ
自己アピールらん:
音大&美大院卒。
絵を描いたり音のおもちゃを
つくったりしてます。
なかよくしてね。



国立音楽大学
音楽文化デザイン学科
コンピュータ音楽系 卒業

多摩美術大学 大学院
情報デザイン領域
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